仏教ねえさんの灯点し頃の骨休め

仏教について、少しずつお勉強したことを記録していこうと思って始めたブログです。ひよっこコラムニストです。

歯のトラブルは感謝へつながる

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みなさまごきげんよう。 仏教ねえさんだよ。

 

新年早々さっそく事件が起きた。わたしの歯に一大事だ。

昨年の5月に差し歯が取れてしまい、入れ直してもらった。しばらくすると、この入れ直した差し歯のせいなのかわからないが、噛み合わせが変わってきたようで軽い違和感を感じていた。以前には当たることのなかったところに歯が当たるようになったのだ。

おかしいなあと思ってはいたが、かかりつけの歯科医に聞くと、「よくあることで、差し歯の宿命だ」という。そういうものなのかとそのままにしていた。しかしながら、違和感どおり、わたしの歯は無理していたようで、入れ直した差し歯の隣りの差し歯が、ぽろんと外れてしまった。これが違和感の元凶だったのかと元旦の夜中に気がついた。

なんてこった。元旦の夜に歯磨きしていただけなのに。しかも、なんと間の悪い。年末年始は、かかりつけの歯医者さんはお休みだ。どこに行く予定もないとはいえ、歯がないままでは格好が悪いし、何よりご飯が食べづらい。

すぐさまグーグル先生に大阪市内に救急の歯医者さんはあるのかとたずねると、夜間や休日に対応している休日緊急歯科診療所があると言う。

新年2日目にかける電話が「差し歯が取れたが、なんとかしてくれるのか」というのはなんとも間抜けな話だ。

今日のところは仕方がない。翌朝に問い合わせてみることにして、歯抜けのまま眠った。

翌朝さっそく休日緊急歯科診療所に問い合わせると、処置してくれると言ってくれた。助かる。ささっと身支度をし、思ったより人出がない電車でのんびり向かった。

わたしが到着すると同時に、慌てて駆け込む家族がいた。母親があたふたと受付をし、父親にしっかり抱えられた小さな息子が泣いている。「大丈夫だよ、もうすぐだよ」と息子に声をかける父親。なにがあったのかわからなかったが、歯でも折ってしまったのだろうか。

わたしのほかに患者さんは10名くらいいただろうか。意外に多いなと感じ、年始早々歯のトラブルがある人がいるものなのね。まあ、わたしもそうだけど。

「仏教さん、仏教ねえさん」思いのほか早く名前を呼ばれた。


「歯が取れたのは餅が原因? 」と診察室へ入るなり言われた。

そうではない、前からおかしいとは思っていたが、昨晩歯を磨いてたら取れてしまった。まさか年始早々取れるとは思っていなかったと素直に答えると笑われた。そうだよね、わたしも笑ったもの。なぜ今日なのかと。今日でなくてはいけない理由があったのかと、取れてしまった差し歯に問いただしたい。

 わたしの差し歯をあるべき場所へ落ち着かせてくれた歯科医に、「休日診療に初めてきたけど、こんなに人がいるとは思っていなかった」と話しかけた。すると、「昨日の方が忙しかったよ。昨日だったらもっと待っててもらったと思うから、今日でよかったね」と言われた。

元旦に救急で、歯のトラブルがそこまであるものなのかと正直驚いた。年始早々差し歯が取れるのはわたしくらいなものではないかと思っていたが、まったく違ったらしい。

隣の診察席では、男の子がぎゃーぎゃーと大きな声で泣き始めた。泣き叫ぶ男の子を2人の歯科助手が抑え、歯科医がなだめている。受付時にわたしの前にいた、父親に抱えられていた男の子の処置が始まったのだ。わたしも歯医者は好きじゃないから、気持ちは痛いほどわかる。さぞかし恐ろしかろう。年始早々、歯科医も患者もお互い大変だ。

「正月どころじゃないですね」と言うと、「当番が年に数回回ってくるからね」「ここの先生じゃないんですか」「ぼくは自分の医院持ってるからね。ここに勤めてる人もおるけど」休日緊急歯科診療所は当番の先生が治療にあたっているのか。病院関連の情報には無縁のため、まったく知らなかった。

サイトを調べてみると、大阪府歯科医師会が運営しており、いつの時点の現在なのかわからなかったが、構成している会員の歯科医師は約5,000人いるようだ。大阪府歯科医師会の目的である「府民、市民の歯とお口の健康を守り、歯科医療を通じて社会に貢献すること」に基づき、年末年始にも地域住民のために働いてくれているこの歯科医のおかげで、わたしの差し歯はあるべき場所に1日も放置されず収まった。

病院で治療を受ければ、毎回「ありがとうございます」と挨拶はしているが、改めて、心を込めて丁寧に伝えようと強く思った。
きっかけは差し歯だったが、たかが差し歯、されど差し歯だ。

休日でも気軽に治療が受けられる環境で生活できることを感謝しよう。わたしのように普段何ごともなく健康に過ごしていれば、見過ごしてしまっている人も多いかもしれない。
日々、医療に携わるみなさまへ感謝を伝えたい。

いつもありがとうございます。